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「平和の少女像」(第9展示室)

◆作品紹介◆

本作の作品名は《平和の少女像》(正式名称は「平和の碑」。「慰安婦像」ではない)。本作は「慰安婦」被害者の人権と名誉を回復するため在韓日本大使館前で20年間続いてk田水曜デモ1000回を記念し、当事者の意志と女性の人権の闘いを称え継承する追悼碑として市民団体が構想し市民の募金で建てられた。最大の特徴は、観る人と意思疎通できるようにしたこと。台座は低く、椅子に座ると目の高さが少女と同じになる。それは見事に成功し、人々の心を動かす公共美術となった。今や《平和の少女像》は戦争と性暴力をなくすための「記憶闘争」のシンボルとして、韓国各地を始め、世界各地に拡散している。

◆作家紹介◆

  • キム・ソギョン(金曙炅) 1965年ソウル市(韓国)生まれ。ソウル(韓国)拠点。

  • キム・ウンソン(金運成) 1964年春川市(韓国)生まれ。ソウル(韓国)拠点。

 

作者は、韓国の彫刻家キム・ソギョン -キム・ウンソン夫妻で「民衆美術」の流れをくむ。民衆美術とは、1980年代の独裁政権に抵抗し展開した韓国独自のもので、以降も不正義に立ち向かう精神は脈々と継承されている。

◆「表現の不自由展・その後」に至るまで◆


日本政府はウィーン条約違反などで在韓日本大使館前からの撤去・移転を求めているが、世界の判例や国際人権法の見 地からの異論もあり、議論を呼んでいる。2012年、東京都美術館でのJAALA国際交流展でミニチュアが展示されたが、同館運営要綱に抵触するとして作家が知らな いまま4日目に撤去された。また、2019年「あいちトリエンナーレ2019」では、河村名古屋市長の発言を発端とし、右翼の脅迫と攻撃により展示がちゅうされ、後半の一週間展示が再開された。
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